お米の集荷、検査等も無事終盤を迎えました。

集荷状況なども踏まえ、農家の皆さんのお話を聞いていると、平年よりは多い年なのではないかと思います。

お米が余っていると言われた去年に引き続き、収穫量もあるといったことで、来年の作付を踏まえて飼料用米などの相談も受けているところです。

自分が作りやすい作付体系だけではなく、市場状況も考えなくてはならないのはやりにくいところではないかと思います。

 

そして、お米や小麦まではいかなくても、輪作体系としての一角を担っているのが大豆です。

小麦と比較しますとそこまで大きく面積を作るわけにはいかないですが、当別町内の畑作物としての割合は大きいです。

今辻野商店では大豆の受入と調整の真っ最中です。

そこで意外と話すことのなかった、大豆の受入についてお話させていただきたいと思います。

 

とはいっても、大豆の受入体制というと、今年に関しては大豆収獲後乾燥を15%以下にしていただいていれば受入いたしますという、その一言で終わってしまうのですが、ここで言う受入体制というのはご自分で調整などされる場合の大豆のお話です。

自分で大豆の選別機をお持ちの方は、当然収獲後に水分を15%以下にしたのちに(3等や合格品であれば16%)選別をすることになります。

選別の過程で私たちも確認させていただきながら、調整等していくことになるわけですが、今年も説明しながら大豆の調整は非常に難しいなと痛感しています。

特に難しいと思うのは、大粒大豆、中粒大豆、小粒大豆、極小粒大豆それぞれに割り振られている「粒度」というものです。

ここが、調整を行う上でどのようにしていくと、この大豆は一番収入が増えるのか。そんなことを考えつつ話しあってます。

 

小粒大豆を例にとってみますと、

通常小粒大豆は1.8mm以上の大豆が70%以上なくては産地品種銘柄として認められません。

ユキシズカという小粒大豆を調整したときに、1.8mm以上の小粒大豆のユキシズカができますし、1.8mm以下の極小粒大豆のユキシズカもできてくるのです。(極小粒大豆にも粒度が決められており、単に1.8mm以下であればいいというわけではありません)

そこをうまく規格内にまとめつつ、品質も確保して等級も最大限にして、かつ歩留まりをよくするのが目標ですが、中々これが難しくて悩まされます。

 

1.8mm以上の小粒大豆はもちろん小粒大豆として農産物検査を受けることができますが、先ほどの70%以上あればというのがここでかかわってきます。

例えば、1.8mmの網をかけたときに、1.8mm以上と1.8mm以下の割合が9対1だった場合、これは両方を混ぜたとしても当然70%以上は1.8mm以上なわけですから検査法上は小粒大豆として検査をうけることができるわけです。

ですが、作物の法則として、小さい粒には出来の悪いものが多いですから、それを混ぜることによって品質が下がってしまっては意味がないわけです。

この話をすると、たまに「30%まで小さい粒いれてもいい」と言われることもあるのですが、検査法上の粒度は良くても、品質的には良くなくて等級は下がってしまいかねません。これが非常に難しいと思います。

 

さらに、小粒大豆に関しては、産地品種銘柄で検査を受ける場合には6.7mm以上の大豆は10%未満でなくてはならないとされています。

これは、小粒大豆の品種が大きくなりすぎている場合の話です。小粒大豆といっても大きすぎる粒が多くては、産地品種銘柄に認められないのです。

この「産地品種銘柄」というのが先ほど例にだした「ユキシズカ」です。

そして産地品種銘柄に認められないということは、名前が付かない、その他の大豆になってしまうということです。

名前が付かなくなるということは、もちろん市場価値もさがりますから、品代金に反映されてしまいます。これもまた調整をする上では気を付けなくてななりません。

 

今回は例に小粒大豆をあげましたが、それだけでも

1.8mm以上が70%以上かつ6.7mm以上は10%未満

という粒度の条件があります。

そして大粒大豆、中粒大豆、極小粒大豆とそれぞれ規定の粒度があって、その条件の範囲内で歩留まりをあげつつ品質も確保できるかどうか、という調整が必要です。

今回、生産者の皆さんと調整についていろいろ打ち合わせをしまして、大豆それぞれに対してどのような調整でいけば、収入的にいい結果になるのかというのは本当に簡単ではないなと思いました。

ですが、出荷していただける以上は最大限努力したいと思っています。

 

今回は生産者での調整大豆について説明しましたが、辻野商店ではもちろん大豆の調整も行っていますので、収獲後に乾燥があがっていれば受入可能です。

例年通りいけば受入は随時行っております。フレコンとハードコンテナどちらも受入可能で、コンテナについては貸出も行っております。

何かお問合せなどありましたらご連絡ください。