辻野商店ではお米の集荷もほぼ終盤に差し掛かっております。
今年も主食用米の他に飼料用米も取り組ませていただきました。
集荷して検査して…感じることは品質は悪くないのではないかなと思ってます。
乳白腹白(高温障害)は目立ちませんし、整粒も軒並み良い方ではないのかなと思いますし、精米タンパクも低めの年じゃないかと思います。
加えて米価も、全国的な作付け制限によって昨年から持ち直してきております。
さらに、北海道の作況指数は106で、ここ石狩地区は107となっており、豊作の年であると言えるのではないでしょうか。
なのですが、当別町の集荷をほぼ終えてきた状況下で、実はあまりいい話が聞こえていません。
というのも、今年の収穫は非常にむずかしく、平年よりも遅い時期に収獲が始まりました。
これは生育がばらついたことが要因だと聞いていますが、結果的に先に収獲したお米ほど青米が多いと聞いています。
さらに、生育がばらついていることも要因のひとつなのだとは思いますが、カメムシの被害が平年より多いように感じます。
いつもであればカメムシが出てこないような人も、それによって落等してしまったりしていて、大変驚きました。
今年のような状況下では、もしかしたらカメムシ防除適期が後半へ延びるということも意味しているのかもしれないと思いました。
カメムシは直接的に収量には影響しませんが、青米率はそのまま製品歩留まりに直結します。
青米だけでなく全体の収量も、発表のあった作況指数107のような豊作には感じないとおっしゃる方は多いです。
なのですが、飼料用米を区分管理で作付けしている生産者の方は収量も約12俵程度あると喜んでおりました。
その方は多収性品種を作付けしていたのですが、飼料用米は青米込みで出荷が基本ですので、その影響もあったのかもしれません。
また、多収性品種ということもあって収穫時期は必然的に最後になりますので、収穫時期的にもいつもより大分遅くなりました。
それが豊作に結びついたとまでは思いませんが、一因にはなっているのかもしれないなと感じます。
最後の収穫時期がどれだけ左右するものなのか。今回の収量の原因の一つであるなら、改めてお米作りの難しさというものを考えさせられます。
今年の作況は、弊社のお付き合いあるかたのお話を聞く限りでは、やはり平年作よりも良くはないのだと思います。
ですが、米価も持ち直してきていますし、肥料高騰に対しても対策が打ち出され、大変な状況は変わりないですが、悪くなるばかりでもないかと思います。
先が見えないことへの不安が大きいですが、できる限り農家の皆様のお力になれるように努力していきたいと思います。