当別町の小麦は幼穂形成期が例年よりも6日ほど早まっているという連絡がありました。
草丈も長い傾向にあり、観測地点では茎数もほぼ同様だそうでした。
もちろんそれによって止葉期も早まるのではないかという予測です。
例年ですと6月頭ぐらいでしたが、5月末には止葉期に入るのではという情報でした。
ですので、止葉期の追肥をお考えの方はちょうど田植え時期と重なるのではないかと思われます。
忙しい時期が続くと思いますが、どうかケガなどないよう気を付けて作業していただきたいと思っております。
今回は水稲育苗時期に使われるタチガレ剤についてです。
タチガレ剤はヒドロキイソキサゾールという薬剤成分のことを指しており、苗立ち枯れ病を防ぐために広く使われている薬剤です。
苗立ち枯れ病対策として苗の発芽後すぐに使う事の多いこの薬剤ですが、今回はもちろん立ち枯れ病以外の側面についてです。
今年の3月に日本作物学会で、ヒドロキイソキサゾールは発根作用と活着促進作用により、除草剤の薬害軽減効果があることが示されています。
これはどういうことかと言いますと、タチガレ剤を移植前処理をすることによって移植後の発根と活着を促進し、除草剤散布によって稲の生育に影響が出る事を抑えるというものです。
実際、試験を見ますと、移植の3日前にタチガレ剤を処理して、移植後5日で除草剤(粒剤)を規定の2倍量を散布してその後の生育を確認していました。
写真でも確認できますが、その後30日経過した時点で生育に大きな差がでていることがわかります。
例えば田んぼの前処理剤が多く入ったですとか、苗が低温障害高温障害で弱ってしまっているときなどいいのかもしれません。
また、お客様と話していると、無代掻きで田んぼ作っている方で鎮圧にケンブリッジローラーをかけているそうで、そこでできたくぼみに除草剤がたまりやすくて薬害が起きやすいから、使ってみようかなとも言っていました。
本剤は育苗には2回使用できますので、すでに1回使用している方も問題なく使用することができます。
上記のことだけでなく、草が多いので初中期体系処理で終わらなさそうですとか、他にもあてはまるような方がいらっしゃいましたら、是非使ってみてはいかがでしょうか。