先日、研修会に参加してきました。
小麦の集荷施設の見学や、小麦新品種の視察など、非常に為になる内容でした。
今回はその研修の中でも、リモートセンシング技術による可変施肥技術について載せたいと思います。
まずリモートセンシングというのが、対象を遠隔から測定する技術のことで、今回見学したのはドローンを使用してのリモートセンシングでした。
ドローンを活用し、圃場の窒素肥沃度をセンシングし、それを窒素肥沃度マップとして作成したものを基準として、施肥機が連動して肥料を播く量を決めていくというものです。
つまり、窒素肥沃度の高い場所には減肥ができて省力化になり、窒素肥沃度の低い圃場には通常の施肥では足りない分を補って施肥できるという訳です。
説明するだけでは想像しにくいこの技術ですが、実際の現場では馬鈴薯において、10a当たり約15000円の経済効果が見込めた場所もあるようです。(減肥分の金額だけではなく収量が増えた分も含め)
ですが、実際に可変施肥をするとなると、GPS機能はもちろん、可変施肥対応の施肥機も必要になってきます。もちろん安くはありません。
便利で先進的な技術程、コストが高くなってしまう事が多いなと私は思います。
スマート農業を導入する時のネックのひとつとして費用対効果があげられると思います。
今回の技術を導入した場合にとても多くの効果が得られるとなると、やはり大規模経営が前提で、さらに圃場区画も大きいなど、色んな条件があるのかもしれません。
ただ、それ以前に圃場をリモートセンシングで測定する技術は、もっと身近な技術になってほしいと思います。
今回は窒素肥沃度でしたが、他にも水分の測定を衛星写真で取ったりすることもできるようでしたので、収穫適期を見るのには非常に便利だと思います。
実際に衛星写真を利用している地域もあるようで、自分の圃場水分だけでなく、他の圃場も見れることで収穫適期を図りやすいと聞いています。
リモートセンシング技術の進歩は、農業において今までは土壌診断においても、水分測定においても、作業的に一部しか見えなかったものを、もっと広範囲に短時間で見える様にしていくものだと思っています。
ただそれが見えただけでは実際の収益とは中々結びつかないので、技術の進歩というのは、低コスト化も含めてのことだと考えています。
ですので、これからもそういった技術があれば説明会など参加し、紹介できるような技術は実際の現場で試していきたいです。
夢の様な話ですが、いつか土壌診断をしなくても土の状態が分かるようになるかもしれません。
その時に、お客様の土にあった肥料を提案できるよう、知識経験を深めて努力していきたいと思います。